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アナン氏 シリア・アサド大統領と会談

2012年7月10日 8:41

 内戦状態に陥っているシリア情勢をめぐり、国連の仲介役を務める前国連事務総長・アナン氏は9日、シリア・アサド大統領と3度目の会談を行い、戦闘の即時停止を求めた。

 アナン氏は、国連監視団が活動中断に追い込まれ、停戦合意が完全に行き詰まる中、直接会談で打開策を探った形。会談で、アナン氏は戦闘の即時停止を要求、その後、「建設的な話し合いだった」と評価したものの具体的な合意には言及せず、大きな進展はなかったもよう。

 シリア全土に拡大した戦闘は激しさを増している。その様子は、トルコとシリアの国境近くの難民キャンプからもうかがうことができた。シリア側からはひっきりなしに砲撃や爆撃の音が聞こえ、軍のヘリコプターが旋回している。シリア側からキャンプに向けて時折、銃撃もあるということで、国境を越えても危険と隣り合わせの生活は続いている。

 シリアから逃れてきた少女「シリアに戻りたい。アサド大統領が辞めれば、私たちも戻れるはずだわ」

 国連は、シリアの内戦状態が続けば、難民の数は今年中に現在の2倍の18万人に達する可能性があるとして、懸念を強めている。