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香港の活動家ら逮捕、中国国内の状況は

2012年8月17日 3:38

 香港の活動家らが沖縄・尖閣諸島の魚釣島に上陸するなどして14人が逮捕された事件で、中国政府がどう出るのかが次の注目点となる。中国国内の状況を、北京支局・長谷川次郎記者が報告する。

 今回の活動家の尖閣上陸には、中国の国民の支持が広がっている。市民に話を聞くと、逮捕に対しては中国政府に強気の行動を求める声が多く聞かれた。東京・石原都知事の尖閣購入計画や、日本政府による国有化方針など、日本の姿勢が中国の人々にとって挑発的な姿勢に映っているからだ。

 中国外務省は、16日に改めて無条件の釈放を求めるなど強気の姿勢を崩していないが、一方で事態を速やかに収束させたいのが本音だ。16日夕方の国営・中国中央テレビのニュースでは、東京駐在の記者が「日本は事態の拡大を避けることを望んでいる」とリポートするなど、抑制的な報道が目立った。

 また、北京の日本大使館ではデモが行われたが、当局が規制し、小規模なものにとどまっている。

 中国では、今年秋に指導部が交代するという節目を控え、何よりも重視しているのが国内の安定。政権への不満につながりかねない反日感情の激化を抑えつつ、国民世論を納得させる速やかな幕引きを目指している。