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オバマ氏、サンディ被災地支援でアピール

2012年11月1日 12:14

 強い温帯低気圧「サンディ」の影響で、この3日間全て、アメリカ大統領選挙に向けての遊説日程をキャンセルしたオバマ大統領は、10月31日は初めて被災地を訪れるなど、被災地支援に全力を挙げる姿勢をアピールしている。

 10月31日、初めて被災地であるニュージャージー州に入ったオバマ大統領は、被災者と熱心に話し込んだ。また、「我々は皆さんのためにここに来た。皆さんが復興するまで必要な支援を続けていく」と訴えた。これまでのところ、今回のオバマ大統領の災害対応は、アメリカメディアから好意的に評価されている。

 共和党・ロムニー候補にリードを許していた支持率も、わずかながら回復傾向にある。「リアルクリアポリティクス」によると、被災前の10月28日に46.8%だったオバマ大統領の支持率は、被災後の10月31日に47.6%に上昇。一方、ロムニー候補は47.7%から47.6%とわずかに下げている。

 一方でオバマ陣営が神経をとがらせているのが、有利とみられている期日前投票の減少だ。激戦州・バージニアの期日前投票所の前では、オバマ陣営のボランティアが必死に支持を呼びかけていた。

 オバマ陣営のボランティア「この数日、期日前投票が中止されたことで、(選挙結果に)一定の影響があると思う」「一人でも多くの人に期日前投票をしてもらうことがオバマ大統領にとって重要」

 一方、ロムニー候補は10月31日から本格的に選挙活動を再開した。しかし、かつて自然災害などの対応にあたる連邦緊急事態管理庁(FEMA)の予算削減を明言していたことに一部メディアや有権者から批判の声が上がっており、選挙戦の行方に影響を与える可能性もある。こうした中、ロムニー陣営はボランティアを大量動員し、電話攻勢を強めている。

 オバマ大統領も1日からは遊説を再開させる。選挙戦最終盤を襲ったハリケーンの影響で、大接戦の行方は一層混沌(こんとん)としている。