チリ 教育や医療保障盛り込んだ新たな憲法案 国民投票で否決
南米チリで4日、教育や医療の保障などを盛り込んだ新たな憲法案の是非を問う国民投票が行われ、反対多数で否決されました。
現在のチリの憲法は軍事政権下の1980年に制定されたもので、教育や医療を国家の義務と定める記載がありません。
「南米の優等生」とされるチリは順調に経済成長を遂げてきましたが、貧富の格差が拡大し、2019年以降、各地で大規模な反政府デモが起き、新たな憲法の制定が求められていました。
新たな憲法案では教育や医療の保障を国家の義務とし、女性と先住民の権利の拡大などを盛り込んでいますが、アメリカメディアによりますと4日に行われた国民投票の結果、およそ62%が反対票を投じ、否決されました。
(開票率は99%)国民の多くが大きな変革を嫌い、政府の財政支出が大幅に増えることなどに不安を覚えたとみられるということです。
ボリッチ大統領は引き続き新憲法の制定を目指したいとしています。