BBC記者「被害者たちはこの会見で、救われたのか?」「圧倒的に“NO”だ」 ジャニーズ事務所会見に
7日、“ジャニー喜多川元社長による性加害問題”についてジャニーズ事務所の会見が行われました。この問題が世界中に知られるきっかけとなった、「BBC」のドキュメンタリー番組を制作した記者は、この会見をどう見たのでしょうか。
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ジャニー喜多川元社長が亡くなって4年。一連の性加害問題について、日本のメディアに先駆ける形で伝えたのはイギリスの「BBC」でした。
今年の3月、全世界に向けて放送された、性的虐待を受けたという男性らを取材したドキュメンタリー番組。日本語版のタイトルは「日本ポップス界の捕食者」というものでした。
会見で、藤島ジュリー景子前社長は、このドキュメンタリー番組について「いままでうちの会社の中で起きていた色んな問題を色々見つめなおす……“きっかけ”だったと思います」と述べました。
制作した記者のモビーン・アザー氏は、この会見をどう見たのか。
ジャニー元社長のドキュメンタリー制作 「BBC」モビーン・アザー記者
「ジュリー景子前社長が謝罪をしたことは、とても重要なことです。ジャニー喜多川元社長が “性的捕食者”であり、不正行為をしたことを“認めた”のです」
“性加害を認めた”ことは大きな一歩だ、としたうえで……
BBC モビーン・アザー記者
「どうやって問題を解決していくのか、まだまだ多くの疑問が残っています。被害者たちはこの会見で、救われたのか? 圧倒的に『ノー(NO)』でしょう」
「日本のメディアが、このことを長年無視し続けていたことは、大きな問題です。この問題が無視されたこと、それは、被害者たちを無視するのと同じことです」
さらに、アザー記者は、ジャニーズ事務所とメディアとの力関係についても指摘しました。
BBC モビーン・アザー記者
「エンタメ業界の1つが力を持ちすぎることは、例外なく、いけないことです。こっちは報じて、こっちは報じない…。そんなことを決められる力は、あってはなりません」
「民主主義の文明社会のメディアは、外部からの圧力を受けず、“言論の自由”があるべきです。今後、日本の報道機関の中でニュースに関わる人たちが、“自問自答”し、変わることを心から願っています」
(9月7日放送『news zero』より)