アメリカ・ホワイトハウスは１３日、声明を発表し、内戦が続くシリアでアサド政権がサリンなどの化学兵器を使用したと結論付けた。

　声明の中では、アメリカの情報機関が慎重に分析した結果、アサド政権が去年、反体制派に対して複数回にわたりサリンガスを含む化学兵器を使用したと判断したとしている。また、これにより、少なくとも１００人から１５０人が死亡したとみている。

　ホワイトハウス高官はさらに、「化学兵器の使用は越えてはならない一線を越えている」と批判し、反体制派に対して、これまで行ってこなかった武器供与に踏み切る考えを明らかにした。一方、アサド政権への直接の武力行使については否定している。

　オバマ大統領は今月１７日から開かれるＧ８（＝主要８か国首脳会議）で、アサド政権に近いロシアも交えて今後の対応を協議する考え。

　シリアへの介入には慎重な姿勢を取ってきたオバマ政権。しかし反体制派への武器供与に踏み切ることで、今後どこまで関与を深めるのか難しい対応が迫られる。