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軍実力行使の可能性は?カイロから記者報告

2013年7月2日 21:52

 エジプトではモルシ大統領の辞任を求めるデモ隊と大統領支持派の対立で混乱が拡大している。1日には、軍が「48時間」という期限を切って事態が収束しなければ仲介に入る方針を示したが、大統領側はこれを拒絶した。カイロから富田徹記者が報告する。

 軍は48時間以内(日本時間4日午前0時まで)にモルシ政権と反大統領派の対立が解消しなければ、自ら仲介に乗り出す方針を示した。

 しかし、大統領の報道官は2日未明、「軍の声明は大統領の承認なしに出されたものだ」として、仲介を拒否した。ただ、閣僚6人が辞意を表明したと伝えられるなど、政権内部にも動揺が走っている。

 軍は声明などで「これはクーデターではない」と繰り返し強調し、どちらの側にも与さないとの姿勢をとっていて、実力行使に出る可能性は低いとみられる。

 ただ、軍の声明が出た直後、反大統領派のデモ隊の上空を、エジプト国旗を掲げた軍のヘリコプターが旋回した。デモ隊との連帯を示すメッセージとみられている。こうした軍の動きに対して、大統領の後ろ盾で圧倒的な動員力を誇るイスラム組織は反発していて、この後、大規模なデモを予定するなど、タイムリミットの日本時間4日午前0時を控え、エジプト全土で非常に緊張した状態が続きそうだ。