身内の“トランプ離れ”も……異例のタイミングで「出馬表明」ナゼ? 狙いは「ライバル抑え込み」「訴追回避」か
2年後のアメリカ大統領選への出馬を、トランプ氏が正式に表明しました。支持者は盛り上がりましたが、身内からも“トランプ離れ”が起き、共和党内の影響力低下も指摘されます。異例の早いタイミングで表明した背景には、2つの狙いがあるとみられます。
■演説で「アメリカファースト」訴え
日本時間の16日午前、アメリカ・フロリダ州の自宅にトランプ前大統領(76)が姿を見せました。「皆さま、次のアメリカ大統領とそのファーストレディーをお迎えください」というアナウンスが響きました。
トランプ氏は「アメリカを再び偉大で輝かしい国にするために、私は今夜、アメリカ大統領への立候補を表明する」と述べました。「15日に重大発表をする」との宣言通り、2年後の大統領選に立候補することを正式に表明しました。
演説を前に、周辺では多くの支持者が集まり、船の上にもその姿はありました。動画で出馬表明の様子を見ていた支持者たちは「トランプが出馬を表明した!」と歓声を上げました。
約1時間に及んだ演説では「バイデン政権は経済を破壊した」などと批判。「今私たちの国は衰退に向かっている。すべての政策において再びアメリカファーストにする」と訴えました。
■長女は「政治以外でサポート」と投稿
ただ、“トランプ離れ”の動きも加速しています。
トランプ政権で副大統領を務めたペンス氏は、地元メディアのインタビューで「再びトランプ氏が大統領になるべきか」と問われ、「もっといい選択肢がある」と回答しました。
出馬表明の場に姿を見せなかった、元補佐官で長女のイバンカ氏は自身のSNSで日本時間の16日、「私は今後、政治に関わるつもりはありません。いつも父を愛してるしサポートしていくけど、それは政治以外の分野でやっていくつもりです」と投稿しました。
身内からも距離を置かれています。
■異例の早期表明…2つの狙いとは?
NNNワシントン・矢岡亮一郎記者
「1つは真っ先に出馬表明して同じ共和党内のライバルを抑え込むこと。もう1つは、自身に迫る訴追を回避することです。中でも、自宅の『マル・ア・ラーゴ』にホワイトハウスの機密文書を持ち込んでいた話は最も訴追の可能性が高いとされています」
いち早く大統領候補になることで、訴追をためらわせる狙いもあるとみられています。
(11月16日『news zero』より)