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オバマ政権の命運握る 中間選挙の行方

2014年1月3日 22:40

 2014年秋、アメリカは中間選挙を迎える。

 最大の焦点は、上院で与党・民主党が、下院で野党・共和党が多数を占める「ねじれた」勢力図がどう変わるかという点だ。上院でも少数与党に転落すれば、オバマ政権の残り2年間は、長いレームダック状態に陥りかねない。

 2013年は外交でも内政でもオバマ政権の失点が続き、目立った成果をあげられなかった。このため、与党・民主党には苦しい戦いになると見られている。

 内政では、「オバマケア」と呼ばれる新たな医療保険制度の登録サイトで起きた大規模な接続障害が、政権支持率の大幅な低下を招いた。しかし、その後のシステム改善で、政権は「公約を達成した」としている。春までの間に制度運営が一定の軌道に乗れば、中間選挙の争点にはならないとの楽観的な見方も浮上、好調な景気が続けば民主党にとってのプラス材料となるだろう。

 対する共和党は、2013年秋に政府債務上限問題をめぐって議会での抵抗戦術を選び、政府機関の一部閉鎖を招いたことが、国民の不興を買った。2014年2月には再び債務上限の期限を迎えるが、一定の妥協も模索する党指導部に対し、保守強硬派は反発を強めており、瀬戸際戦術も辞さない構えだ。共和党内の路線をめぐり、対立が深まる恐れもあり、この問題で対応を誤れば世論の批判を浴びるのは必至だ。

 「2013年は民主・共和両党が内政で自滅した年だった」と識者は分析している。現時点では、投票行動に大きな影響を与える外交課題は見当たらない。中間選挙の行方は、内政上の課題で「自滅」した両党が、どれだけの「立て直し」を示せるかによって左右されそうだ。