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軍事介入の方針示したロシア、その狙いは?

2014年3月2日 20:27

 緊迫した状態が続くウクライナ。ロシアのプーチン大統領が軍事介入の方針を示したことに、国際社会は強く反発、緊張が高まっている。ロシアの首都・モスクワから外報部・山内康次記者が報告する。

 プーチン大統領がウクライナへの軍事介入について議会から承認をとりつけたことで、今後、実際に軍事介入に踏み切るのか、情勢は重要な局面を迎えている。

 ウクライナの暫定政権側は、「軍事介入は戦争の始まりを意味し、ウクライナとロシアの関係が打ち切られることになる」と猛反発している。

 事態を受けて、アメリカとロシアは電話で首脳会談を行った。オバマ大統領は、軍事介入に向けた動きを非難、ロシア軍をクリミアの基地に撤収させるよう求め、これに対しプーチン大統領は、「ロシア国民を守る権利がある」と反論し、軍事介入の正当性を強調した。ただ、ロシア政府高官は、軍事介入が「すぐに行われるわけではない」と話している。

 ウクライナの暫定政権は、欧米との関係を強化する方針を示しているが、こうした中での軍事介入の承認は、今後、プーチン政権が軍事介入をカードとして利用し、ウクライナが欧米寄り一辺倒に進んでいかないよう歯止めをかけていく狙いがあるとみられる。