イスラエル地上部隊投入 民間人に死者も
中東のパレスチナ情勢がさらに緊迫の度を増している。これまで、ガザ地区への空爆を続けてきたイスラエル軍は日本時間18日早朝、ついに地上部隊の投入に踏み切った。ガザ地区との境界付近から天野英明記者が報告。
イスラエル軍は地上部隊による作戦を日本時間18日午前4時半頃開始した。ガザ地区への地上部隊の投入は2009年以来で、イスラエルの高官は、地上戦が始まってからイスラエル軍の兵士1人と、パレスチナ人20人(民間人6人)が死亡したことを明らかにした。
イスラエルは今回の作戦について、「ガザ地区からイスラエルに掘られた地下トンネルの破壊が目的」だとしている。地下トンネルはガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織「ハマス」が掘ったもので、17日には実際に戦闘員がトンネルを通ってイスラエル側に侵入しようとしていた。これが一つの引き金になったものとみられる。
イスラエルのネタニヤフ首相は「市民を守るための措置だ」としているが、ハマス側も「イスラエル側は大きな代償を払うことになるだろう」と徹底抗戦する構えを示している。
イスラエル政府はまもなく、治安担当の閣僚による会議を開くものとみられる。作戦をどの程度続けるかは不透明だが、犠牲者がさらに増えることが懸念される。