香港大規模デモ 観光客減など影響広がる
中国・香港で行われている民主的な選挙を求める大規模デモは、5日目に突入した。中心部の交通網がマヒするなど、混乱が続いている。
香港中心部の九龍地区では、民主派の団体が自分たちの主張を繰り返している。5日目に突入したデモは、香港政府前の道路など中心部の複数の箇所で行われ、参加者は数万人規模といわれている。参加者が増えている背景には、当局がデモ初日の9月28日にデモ隊を解散させるために、催涙ガスを使ったことでかえって批判をよんだとの見方もされている。
一方、デモは香港の観光産業にも影響している。香港では、毎年、国慶節には多くの中国人観光客が旅行に訪れ、空港などがにぎわうのだが、今年は人数が減っている。中国大陸側の複数の省で、当局などから香港への旅行を控えるよう指示が出ているということで、ある土産物店は売り上げが3割減ったと話していた。
民主派の一部の学生団体の代表は、3日午前0時までに、行政長官が話し合いに応じなければ、他の政府系の建物も包囲するなどデモの拡大を示唆している。
香港では3日、連休が明け、金融機関などは営業を再開する予定で、中心部での大規模なデモがこのまま続き、3日の経済活動に影響が出るようだと、また当局が何らかの措置を取ることも考えられ、予断を許さない状況。