シリアやイラクでイスラム過激派組織「イスラム国」が攻勢を強める中、トルコの国会は２日、軍が国境を越えて軍事作戦を行うことを承認した。

　トルコ軍に国境を越えた軍事作戦の実施を認めることなどを盛り込んだ動議は２日、賛成多数で承認された。これによりトルコ軍は、隣国のシリアやイラク領内で「イスラム国」との戦闘を行うことができるようになる。また、外国の部隊の国内での駐留を受け入れることも承認された。アメリカ軍などが「イスラム国」に対する軍事作戦の拠点として、国内の基地を使用することを事実上、認めた形。

　こうした中、国連は２日、「イスラム国」を巡る戦闘で、今年に入ってからこれまでに、イラクで９３４７人の市民が死亡したと発表した。犠牲者の中には「イスラム国」が市民を意図的に狙ったものもあったとして、戦争犯罪や人道に反する行いに相当すると指摘している。