中村教授、LED研究の原動力は「怒り」
青色発光ダイオードを世界で初めて開発し、実用化に導いた日本の研究者3人が選ばれた今年のノーベル物理学賞。選ばれたうちの1人であるカリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授が日本時間8日午前、自宅のあるアメリカ・カリフォルニア州でNNNの取材に応じた。
「皆さん『おめでとう』と言ってくれる。メールや電話はいっぱい来ているけれど、全然チェックしていないですね」
中村教授は、青色発光ダイオード(=LED)が生活に欠かせない存在となったことは、「非常にうれしい」とした上で、研究・開発の原動力は「怒り」だったと明かした。
「(LEDの普及は)非常にうれしい。発明したものが使われて光るものは全てLEDにかわると思う。研究・開発の原動力は)私の場合は怒りですね。(就職して)最初の10年くらいは赤色発光ダイオードとかやったが、10年間作って3つくらい製品を作ったが売れなかった。偉い人たちに『お前は金の無駄遣いしやがって!』と。けちょんけちょんに言われ頭にきて、『青色発光ダイオードやらせてくれ』と言ってOKが出てお金をもらえた。怒りを原動力にしたら青色発光ダイオードができた」
そして、LEDの効率を上げるため研究を続けると意欲を示し、若い研究者に対しては「学歴は関係なく、本人のやる気が一番」だとメッセージを送った。
「(LEDの)発光効率は50~60%、100%まで上げるのが目標。そういう研究をこちらでやっている。私は四国から出たことがない。高校まで愛媛で大学は徳島大学。卒業したら徳島の田舎の企業に就職し、今カリフォルニアに来ている。好きなことを選んで情熱を持って仕事をすればノーベル賞ももらえる。私を良い例にすれば良いと思います。学歴とか関係なく本人のやる気が一番だと思います」