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共和党“過半数”政権「終わりの始まり」か

2014年11月5日 15:43

 アメリカ・オバマ政権が大きな転機を迎えている。政権の6年間の評価となる中間選挙で、焦点の上院は、野党・共和党が過半数に達することが確実となった。ワシントンから近野宏明記者が最新情報を伝える。

 接戦となっていた州で共和党の当選確実が相次いだ。NBCテレビによると、共和党は過半数の51を上回る議席を獲得することが確実になった。上下両院の多数派を共和党が握るのは8年ぶりとなる。

 NBCテレビは開票結果や出口調査に基づき、定数100の上院では共和党が非改選議席と合わせて52議席を獲得する見通しだと伝えた。カギとなったのは8つの接戦州での勝敗。これまでに共和党は5つを押さえ、対する与党・民主党が勝利を確実にしたのはニューハンプシャー州だけにとどまっている。さらに、共和党はウェストバージニアで55年ぶりに勝利するなど、民主党の長年の地盤も奪った。

 またNBCは、下院でも半数を大きく上回り、250議席(定数435議席)を確保する見通しだと伝えており、民主党にとっては「大敗」といえる結果だ。

 オバマ大統領は現在、ホワイトハウスで開票状況を見守りつつ、民主・共和両党の候補者らと電話で話をしているという。今回の「大敗」を受け、オバマ政権の多くの政策は今後、実現不可能となり、残る2年間の政権運営は極めて厳しくなる。

 大統領は7日午後、上院の共和党のトップ、マコネル院内総務ら議会幹部らと今後の議会運営について協議する。これまでは上下両院のねじれで政治が停滞していたが、もし7日の協議が物別れに終われば、今度は大統領と議会との対立で「決められない政治」が続く恐れもある。

 華々しくスタートした政権の「終わりの始まり」になるのか。オバマ大統領にとってはまさに正念場となっている。