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米核関連施設が公園に…広島・長崎市が懸念

2014年12月13日 15:17

 アメリカ議会は国防予算の大枠を定めた「国防権限法案」を可決した。これにより、沖縄に駐留する海兵隊のグアム移転経費が執行されるほか、第2次世界大戦中に原爆開発を進めた核関連施設が国立公園として整備されることになる。

 議会上院では12日、下院につづいて法案が圧倒的多数で可決された。法案は来年9月までの国防予算の大枠を定めたもので、沖縄に駐留するアメリカ海兵隊のグアムへの移転にかかる予算の凍結解除が盛りこまれている。日米両政府はグアム移転が進むことで、普天間基地の名護市辺野古への移設にもつながることを期待している。

 この法案はまた、アメリカの原爆開発計画の中心地だったロスアラモスや、長崎に投下された原爆のプルトニウムが製造されたハンフォードなどの核関連施設を国立公園に指定すると定めている。

 国立公園化は原爆の歴史を後世に伝えるのが目的としているが、被爆地の広島市や長崎市は「将来の世代に誤ったメッセージを残すことになりかねない」「原爆投下を正当化し、核兵器開発を推進することにつながるのではないか」などと強い懸念を示している。

 法案は今後オバマ大統領が署名し、正式に成立する予定。