ロシア空軍基地をドローン攻撃か…ウクライナ側は関与認めず 戦闘の激化を懸念
ロシア国内の空軍基地がドローン攻撃を受け、ロシア側はウクライナによるものだと主張しています。プーチン大統領はどう対応するのか。戦闘の激化を懸念する声が上がっています。
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ウクライナ東部ドンバス地方。軍の創設記念日となるこの日、ゼレンスキー大統領は首都を離れ、カムフラージュのネットが張られた前線の拠点を視察しました。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領
「我が軍の兵士は、とりわけ東部において最強である。東部の戦況は最も過酷だからだ。諸君らの我慢強さと力に感謝したい」
ゼレンスキー大統領は、激戦地の兵士を激励しました。
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先月、南部ヘルソン州を奪還したウクライナ軍ですが、東部ドンバス地方ではロシア軍と激しい攻防が続いています。
こうした中、ドンバス地方のさらに東、ロシア国内のクルスクにある空軍基地で6日、1件の火災が発生しました。映像では、黒い煙が遠くまでたなびいているのがわかります。地元州知事によると、火災の原因はドローン攻撃で、石油貯蔵施設が炎上し、けが人はいないとしています。
火災があったクルスクの空軍基地があるのは、ウクライナの国境から約100キロ離れた場所です。ロシアでは、その前日の5日にも、ウクライナ国境から500キロ近く離れたサラトフ州の空軍基地と、リャザン州で爆発がありました。
ロシア側は、ウクライナ側がドローンで攻撃したとし、ミサイル爆撃機2機が損傷した他、3人が死亡したとしています。
ゼレンスキー大統領はじめ、ウクライナ側は関与を認めていませんが、ウクライナのレズニコフ国防相は攻撃を否定し、火災の原因は“ロシア側の火の不始末”とコメントしました。
ウクライナ・レズニコフ国防相
「ロシア人はいつも禁煙の場所でたばこを吸う」
アメリカのブリンケン国務長官は、ウクライナの関与については明言を避けました。
アメリカ・ブリンケン国務長官
「我々はウクライナがロシア国内を攻撃することを、推奨することも促すこともしていない」
これまで多額の軍事支援を行ってきたアメリカですが、ウクライナが越境してロシア国内を攻撃することを警戒し、ゼレンスキー大統領が求める長距離ミサイルは供与しない方針を示しています。
プーチン大統領は6日、安全保障会議を開催。国内への相次ぐ攻撃について対応を協議したものとみられ、ウクライナへの報復攻撃も懸念されています。