ロシア重要基地に“ドローン攻撃”――冬は不利か ロシア動員兵士の母や妻「破壊と悲しみ、血と涙」…撤退求め署名4万人超
ウクライナ軍が、ロシアの基地などをドローンで攻撃しました。冬はロシア軍にとっていっそう不利で、ウクライナ軍に押し出される可能性もあります。背景には何があるのでしょうか。一方、ロシア国内では動員兵士の母や妻が、撤退を求めて署名を始めました。
■ロシア重要拠点に攻撃…局面変わる?
有働由美子キャスター
「ウクライナ軍がツイッターで公開した、軍用機や軍用トラックが攻撃された後の写真があります。撮影された場所が、ウクライナではなくロシアでした」
「モスクワから約200キロの場所にあるロシア軍の空軍基地など2か所が標的となり、ウクライナ軍のドローン攻撃を受けたと、ロシア国防省が発表しました。ウクライナ軍がロシア本土に攻撃ということで、戦争の局面が変わるのかと心配です」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「ガラッと局面が変わるとまでは見られていませんが、ウクライナ軍が『その気になればここまで深く撃ち込めるぞ』と見せつけたわけです」
「ロシア軍はショックです。この基地にはロシアの何十機もの爆撃機や巡航ミサイルが配備されていて、ここからウクライナに向けて飛ばして攻撃する、重要な拠点になっています」
■ウ軍報道官「冬の装備十分に支給」
有働キャスター
「そういう所が攻撃されると、ロシア側のプーチン大統領は怒る、反撃するということになるのではないでしょうか?」
「既に報復攻撃したようですが、だいぶ(ウクライナ側に)撃ち落されたようです。さらに、冬を迎えたことでプーチン大統領はいっそう不利になっています。冬になると地面が固まって戦車が走り回っての戦いになります」
「ウクライナ軍の戦車には、砲弾が多く積まれています。兵士が防寒の装備をして余裕の表情にも見えます。同軍の報道官は『兵士に冬の装備を十分に支給し、冬の作戦に向け準備している。ロシア軍の質の低い動員兵らは冬の戦闘の準備ができていない』と話します」
有働キャスター
「そうすると、ロシア軍はどんどん押し出されていく可能性もあるのでしょうか?」
■プーチン氏、クリミア橋で自ら運転
小野委員
「その可能性はありますね。この状況にロシア国内では、動員された兵士の母親や妻たちが動き出しました。『息子を家に帰して!』『夫を家に帰して!』と、ウクライナからの撤退や全ての兵士の帰国などを求めて、オンラインで署名活動を始めました」
「ウクライナ侵攻が『破壊と悲しみ、血と涙をもたらしながら続いている』と訴えています。既に4万人を超える署名が集まっているようです」
有働キャスター
「新たに公開された映像では、プーチン大統領は5日、今年10月に爆発した(ロシアとクリミア半島を結ぶ)クリミア橋を自ら運転して渡り、『ここは自分たちの領土だぞ』と強気な姿をアピールしました」
「これから厳しい冬です。味方の士気は上がらない、国内では兵士の家族の不満が目に見えて広がっています。今、戦争を止めるべき状況がそろっていますが、やはり大統領の耳には届かないのでしょうか」
(12月6日『news zero』より)