酷寒キーウ…“エネルギー施設”狙うミサイル攻撃 子どもたちへの教育の機会奪われる
ウクライナ各地でエネルギー関連施設などを狙ったロシア軍のミサイル攻撃が続き、子どもたちへの教育の機会が奪われています。
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ロシア軍のミサイル攻撃を受け、炎に包まれた石油貯蔵施設。ロシアが、今も執拗(しつよう)に狙い続けているのが各地の「エネルギー施設」です。
暖房に使われる熱を供給する施設など、国内の半数近くが被害を受けたとされています。
日本時間の21日朝、ウクライナのゼレンスキー大統領が「今晩は15の州とキーウ市で、(電力供給の)安定化のための停電が実施される」と話す動画がSNSに公開されました。
広範囲で電力不足が続く中、本格的な冬を迎えたウクライナでは、気温がマイナス10℃以下にもなることもあるといいます。
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今月、私たちは、キーウ近郊の小学校を訪れました。暖房無しでは、教室内も氷点下に。故障した暖房設備の代わりになる電気ヒーターが調達できたことで、2か月ぶりに対面授業が行われました。
友達に会えたことで、子どもたちには笑顔が見られます。ただ、停電の影響で、毎日授業を続けられる保証はありません。
児童
「毎日学校に来たいけど、それは無理だとわかっている」
久しぶりの教室での授業で、子どもたちは前線の兵士に向けた手紙を書きました。
児童
「お守りを作りました」
「ウクライナを守ってくれて、ありがとうと書きました」
しかし、そのさなかに突如、空襲警報が発令されました。
「パニックにならないで! 走らないで!」
地下シェルターへの避難を余儀なくされました。
児童
「とても怖い」
「私も(怖い)」
空襲警報が解除されるまで、カード・ゲームをするなどして時間を過ごしました。
ミサイル攻撃が続く中、子どもたちを学校に預けることに不安を感じる保護者も多いといいます。
キーウ近郊に住むアンナさんは、「(侵攻が終わるまでは)娘には家に居てほしい。娘と一緒にいたいです」と話します。
侵攻後、娘の身を案じて学校には一度も登校させていません。
娘のユリヤさんは、今はオンラインで授業を受けています。しかし、オンライン授業のさなかに――
先生
「この後は休憩です」
娘・ユリヤさん
「(この後の授業は)先生の住んでいる地域が停電になって、なくなりました」
停電で教師のパソコンが使えなくなり、この後の授業は中止になりました。ここにも電力不足の影響が及び、オンライン授業ですら、ままならない日々です。
母・アンナさん
「ロシアが子どもたちの勉強の機会を奪っています。ひどいことです」
娘・ユリヤさん
「(学校に行って)教室の雰囲気を感じたいです」
人々の暮らしを破壊するインフラへの攻撃。子どもたちの学びの場が戻る見通しも立たないままです。