IAEA 原発の新たな安全基準を承認
IAEA(=国際原子力機関)は、福島第一原子力発電所の事故を受け、原発施設の「安全基準」の見直しを行ってきたが、3日の理事会で新たな基準を承認した。施設の設計などでより安全性を求めているが、日本の原発の再稼働の手続きには大きな影響はないものとみられる。
IAEAが3日に承認した新たな安全基準は、原発施設の「設計」や「立地」「規制機関のありかた」など6つの分野で見直しが行われている。
「設計」では、福島第一原発で同時に3つの原子炉が損傷を受けたことを踏まえ、複数の施設が同時に危険に陥る可能性を考慮すべきことなどを求めている。
「立地」では、過去の歴史的な地震などを踏まえ、安全性を評価すべきだとしている。また、「規制機関」に対しては、政府や、電力会社などの事業者と緊急時に備えた訓練を行うことなどを求めている。
IAEAが安全基準を改正するのは福島第一原発の事故後、初めてだが、原子力規制委員会によると、13年に策定した原発の新たな規制基準は、今回のIAEAの見直しをすでにほぼ織り込んでいるという。このため、日本で現在、進められている原発再稼働の前提となる審査には大きな影響はないものとみられる。