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南沙諸島で埋め立て工事 中国が正当性主張

2015年4月10日 1:43

 中国とフィリピンなどが領有権を争う南シナ海の南沙諸島で中国が次々に埋め立て工事を進めている問題で、中国政府は9日、軍事目的に加え、気象観測や漁業関連施設などを作るためだと説明した。

 南沙諸島では複数の岩礁で中国側が埋め立てや建物の建設工事を進めていて、領有権を争うフィリピンなどが反発を強めている。この問題について9日、中国外務省は会見で、工事の目的について次のように述べた。

 中国外務省・華春瑩報道官「軍事防衛のニーズのほか、民間分野のニーズにサービスを提供するためだ」

 報道官は、建設中の施設には気象観測や船舶の停泊施設、漁業のための施設などが含まれると初めて具体的に説明。「工事は完全に中国の主権の範囲内のこと」などと正当性を主張した。

 一方、フィリピン軍は、今月20日からアメリカ軍と合同で軍事演習を行う。南シナ海に面したルソン島やパラワン島などで行われる今回の演習には、去年の倍にあたる1万1000人あまりが参加する予定で、中国の海洋進出をけん制する狙いがあるとみられる。