「この瞬間待っていた」イスラエルとハマスが停戦合意 “自分の成果”バイデン氏とトランプ氏が…
イスラエルとイスラム組織「ハマス」が、6週間停戦することで合意しました。今回の合意について、まもなく政権が交代するアメリカのバイデン大統領もトランプ次期大統領も、自分の成果だと強調しています。
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明かりがほとんど失われた街で、人々は歓喜に包まれました。1月15日のパレスチナ自治区ガザ地区。
「停戦! 停戦!」
「状況が変わった!」
「停戦がほしかった!」
ガザ地区の住民
「この瞬間を1年以上待っていた! 信じられない!」
この1年3か月、停戦を願い続けてきました。
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2023年10月以降、イスラエル軍とイスラム組織「ハマス」の激しい戦闘が続いてきたガザ地区。これまでに4万6000人以上が亡くなり、約9割の住民が家を追われています。
戦闘から約1年3か月。イスラエルとハマスは1月19日からガザ地区での戦闘を停止し、人質の解放にも合意したと伝えられました。
ガザ地区の住民
「神が私たちを哀れんでくださった。私たちは本当に疲れている。もう耐えられない。心が痛く、苦しかった」
ガザ地区の住民、そしてイスラエルの住民にとっても、待ちわびた一報です。ハマスに、人質として家族をさらわれた人たちは…
家族が人質になった人(イスラエル、15日)
「まず、とてもうれしく思います。全員がここ(イスラエル)に戻ることを望みます。彼ら(人質となった人)が無事であることを願っています」
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今回の停戦合意に早々と反応したのが、アメリカの次期大統領、トランプ氏です。
トランプ氏のSNS
「私の政権が平和を求め、すべてのアメリカ人と同盟国の安全を確保するために交渉することを全世界に示した」
“停戦合意は自身の成果”だと強調したトランプ氏。1週間ほど前には「もし、私が就任する2週間後までに交渉が成立しなければ、中東は地獄を見ることになるだろう」と、停戦合意に圧力をかけていました。
トランプ氏
「我々はこの地域全体で、力による平和を進めていく」
一方、4日後に退任するバイデン大統領も、停戦は自身の成果だと強調。
バイデン大統領(15日)
「私の政権による8か月にわたる絶え間ない交渉の末、イスラエルとハマスが停戦と人質取引に合意した計画は、私のチームが立案し交渉したものだ」
──成果はあなた? トランプ?
バイデン大統領
「冗談でしょ」
イスラエルのネタニヤフ首相はそれぞれと電話会談し、感謝を伝えたといいます。停戦合意について、イスラエル政府は「枠組みのいくつかの項目はまだ最終決定されていない。今夜にも詳細が決定することを望んでいる」としています。
ハマスも「イスラエルの侵略を阻止した停戦合意は、ガザ地区での抵抗の成果だ」と声明を発表。
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停戦は、順調に行われるのか。
すでに暗雲も立ちこめています。ロイター通信によると、停戦合意があった後にも、イスラエル軍はガザ地区の各地で空爆を続けていて、少なくとも46人が死亡したということです。
平和は、訪れるのか。予断を許さない状況が続いています。