オバマ大統領、国民に「米国の団結」訴える
アメリカのオバマ大統領は任期中最後の「一般教書演説」を行った。銃規制の強化やテロ対策への決意を示すとともに、今年行われる大統領選挙をふまえ、国民の一致団結を訴えた。
一般教書演説は通常、内政や外交の運営方針を示すものだが、今回は、自らの理想を国民に語りかけ、アメリカのあるべき「将来像」を強調する、異例の形となった。
オバマ大統領「この国に多様性や法の支配があるからこそ、次世代に繁栄と安全がもたらされるのだ」
オバマ大統領は、最優先課題は国民の安全だとし、国際社会との連携で、過激派組織「イスラム国」を壊滅させる考えを強調した。また内政では、銃規制問題も取り上げ、会場に招いた銃犯罪の被害者や家族を前に、「子どもたちを守る」と述べた。
今回の演説でオバマ大統領は、「アメリカの団結」を改めて呼びかけた。名指しこそしなかったものの、大統領選挙で共和党候補のトランプ氏がイスラム教徒の入国禁止を提案したことに、一定の支持があることなどへの強い危惧をにじませた。
オバマ大統領「政治家がイスラム教徒を侮辱し、モスクが破壊され、子どもたちがいじめられる時、我々に安全などない」
社会の多様性が脅かされ、分断も懸念される中、オバマ大統領としては、次のリーダーとなる大統領選の候補者らに理性的に議論を交わすようクギを刺した形。