自爆テロ“容疑者の男”の指紋 移民局採取
トルコの最大都市イスタンブールの観光の中心地で起きた自爆テロで、容疑者がシリアから難民として入国していた可能性があることが分かった。
世界遺産に登録されているスルタンアフメト地区の中心。「アヤソフィア大聖堂」、「ブルーモスク」があり、いずれも観光客が必ず訪れる場所で、事件から一夜明けた13日朝も大勢の観光客が訪れている。爆発が起きたのはそのすぐ横、古代競馬場の真ん中だった。
地元当局によると今回の爆発で10人が死亡した。また15人がケガをしていて病院で手当てを受けている。
現場近くにいた人「大きな爆発音がして地震かと思った。周りの建物も揺れていたよ。煙が上がるのが見えて焦げ臭かった」
事件についてトルコのダウトオール首相は、過激派組織「イスラム国」のメンバーによる自爆テロ事件と断定している。
地元メディアは、容疑者が男だとして現場に残されたこの男のものとみられる指紋が今月5日に、イスタンブールの移民局で採取されていたと報じた。男は、サウジアラビア生まれのシリア人だということで難民として入国していた可能性がある。警察はすでに男が潜伏していたイスタンブール市内の住居を捜索したという。
観光大国トルコのまさに中心といえる場所で起きた自爆テロに、当局は神経をとがらせていて事件直後から報道規制が行われているが、すでに動揺が広がっている。
日本人観光客「テロが起きるなんて思っていなかった。びっくりしました」
観光業の関係者に聞くと、「イスラム国」などの影響でここ数年観光客は大幅に減っていて、かつては多かった日本人も激減したという。
今回の事件は治安の悪化を裏付ける形となり、さらなる影響は避けられない情勢。