野党が勝利宣言 初の女性総統誕生へ 台湾
16日に投開票が行われた台湾の総統選挙は、独立志向の強い最大野党・民進党の蔡英文氏が圧勝し、勝利を宣言した。8年ぶりの政権交代が実現し、初の女性総統が誕生する。
民進党本部前に作られた特設ステージ、多くの支持者が待つこの場所で、蔡英文氏は勝利の報告を行った。
日本時間午後10時過ぎ、蔡英文氏がステージに現れると、会場からは割れるような歓声と拍手がわき起こった。勝利は確実と見られていた蔡氏だが、8年ぶりの政権交代の実現、さらに、史上初の女性総統の誕生を受け、盛り上がりは最高潮となった。
蔡氏はこれより前、会見で次のように述べ、勝利を宣言した。
民進党の蔡英文氏「きょう台湾人にとって歴史的な日となった。政権交代を果たした」
争点の中国政策については、蔡氏は記者会見で改めて、現政権が掲げた独立でも統一でもない「現状維持」の路線を踏襲すると表明。「挑発をすることなく、交流の道を求めます」と述べた。
一方、中国との融和を進めてきた与党・国民党の朱立倫氏は、敗北を宣言し、党の主席を辞任する考えを示している。蔡氏の圧倒的な勝利の背景には、中国に近づく政策への有権者の懸念があった。
今後、こうした支持者らの懸念払拭(ふっしょく)に応えつつ、中国とどのような関係を築いていくのか、大きな課題を背負うことになる。