エジプトの首都・カイロでイタリア人の学生が先月から行方不明になり、その後、遺体となって発見されたことが分かった。遺体には拷問の痕があったという。

　地元メディアなどによると、イタリア人の２８歳の学生が先月２５日、カイロ中心部で行方不明になった。イタリア政府はエジプト政府に捜索協力を要請していたが、ロイター通信は４日、治安筋の話として、この学生が遺体となって発見されたと伝えた。遺体は幹線道路脇で見つかり、拷問の痕があったということで、エジプト当局が死因などを調査している。

　学生が行方不明になった先月２５日は、ムバラク元大統領の退陣を求める大規模なデモが起きてから５周年を迎えた日で、現政権に抗議するデモやテロ事件の発生が懸念されていた。エジプトでは去年夏にもクロアチア人の男性が誘拐され、過激派組織「イスラム国」の傘下組織が男性を殺害したとする画像を公開した。