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「容疑者は、特に白人警察官を殺したいと」

2016年7月9日 0:18
「容疑者は、特に白人警察官を殺したいと」

 アメリカで相次いだ、警察官による黒人男性射殺事件。その抗議デモの最中に警察官12人が撃たれ、5人が死亡した。警察は3人の容疑者を拘束し、さらに1人は銃撃戦の末、死亡した。

 容疑者の1人は、白人に対する激しい怒りを話していたということだが、なぜデモの最中に銃撃に及んだのか、詳しい動機は依然わかっていない。

 地元警察の会見「容疑者は、白人警察官による黒人射殺に怒っていた。『白人、特に白人警察官を殺したい』と話していた」

 事件は7日夜、テキサス州ダラスで行われていた警察官による黒人男性射殺事件に対する抗議デモの最中に起きた。12人の警察官が撃たれ、このうち5人が死亡、7人がケガをした。中には背後から撃たれた警察官もいたという。

 目撃者「警察官が5、6人撃たれて倒れていた」「逃げている間も銃撃が続いた。どこで撃っているのかもわからなかった」

 警察は3人の容疑者を拘束。さらに1人は、大学の立体駐車場内で銃撃戦の末、死亡した。死亡した容疑者は、警察との交渉の際、白人に対する激しい怒りのほか、単独で犯行に及んだと話していたという。

 抗議デモは、ミネソタ州とルイジアナ州で黒人男性が2日続けて警察官に射殺されたことを受けて行われた。ともに、黒人男性が銃などを手にしていない状況で射殺されており、この様子を撮影した動画がインターネットに公開されたことが、警察に対する批判に火をつけた形だ。抗議デモは、ニューヨークやワシントンなどでも行われ、ニューヨークでは警官隊とデモ隊がにらみあう場面もあった。

 デモが痛ましい事件の現場になったことは、アメリカの人種問題の根深さをあらためて浮き彫りにしたと言えそうだ。