イギリスでテリーザ・メイ新首相が１３日、正式に就任した。サッチャー元首相以来２６年ぶり、２人目の女性首相となる。

　キャメロン前首相は１３日、家族とともに最後の会見を行い、６年間過ごした首相官邸を後にした。その約１時間後、エリザベス女王から任命を受け、正式に就任したメイ首相が、同じ場所で初の会見に臨んだ。

　メイ首相「ＥＵ（＝ヨーロッパ連合）から離脱し、イギリスは世界の中で果敢に新たな役割を果たすだろう」

　メイ首相はその後、組閣作業を行っており、外相にはＥＵ離脱派の中心人物だったジョンソン前ロンドン市長を起用した。また、ＥＵからの離脱交渉を担当する専門の大臣も置くことにしている。今後、イギリスがＥＵに対し、離脱を通告することが必要だが、メイ首相は「年内は交渉を開始しない」との意向を示している。

　しかし、ドイツのメルケル首相は１１日、「イギリスはＥＵとの関係をどうするのか、早く明らかにするべきだ」と述べており、大きな溝がある。ＥＵの首脳は交渉に妥協しない姿勢を見せていて、今後、どのように有利な条件を引き出せるのか、メイ首相は早速、厳しい局面に立たされている。