ＥＵ（＝ヨーロッパ連合）からの離脱の賛否を問うイギリスの国民投票で離脱派が勝利した。今後、イギリスはＥＵ離脱に向けた手続きを始めることになるとみられる。

　投票は、日本時間２４日午前６時に締め切られ、全３８２か所での開票作業は終了した。離脱派が５１．９％、残留派が４８．１％となり、離脱派が残留派に１２７万票近くの差をつけ勝利した。今回、イギリス選挙史上最も多い約４６５０万人が有権者登録をしたが、投票率は７２．２％だったという。

　残留を主張し、自らキャンペーンを主導してきたキャメロン首相にとっては大きな打撃となる。一方、離脱派でイギリス独立党のファラージ党首は、「離脱のために勇気をもって立ち上がった人を誇りに思う」「イギリスの独立だ。普通の人々が勝利したのだ」と語った。また、「キャメロン首相は即刻辞任すべき」との考えを示している。

　今後、イギリスがＥＵから離脱するためには、まずはＥＵ側に離脱を正式に通告することが必要になる。２８日にはＥＵ首脳会議が開かれるが、キャメロン首相がいつ、どのタイミングで離脱を決断し、通告するかが次の注目点となる。

　ＥＵ発足以降、離脱する国が出るのは初めてのことで、“ひとつのヨーロッパ”を目指してきたＥＵは大きな転換点を迎えることになった。