アメリカ大統領選挙にむけた民主党の党大会は２日目、ヒラリー・クリントン前国務長官が主要政党で初の女性大統領候補に指名され、サプライズで本人が中継で姿を見せた。

　アメリカ・ペンシルベニア州で開かれた党大会の２日目、数々の著名人が応援演説を続けた。その後、久々に力強く熱弁を振るい広い会場を沸かせたのは、夫のビル・クリントン元大統領だった。

　ビル・クリントン元大統領「（妻が）現状に満足したことは一度もない。彼女は最も優れた“チェンジ・メーカー（変革をもたらす人）”だ」

　元大統領が“チェンジ・メーカー”という言葉を使った背景には、クリントン氏が既存の政治を守るという守旧派ではなく、変革をもたらせる候補だと印象づける狙いがうかがえる。さらに、夫として見続けてきたよき母親としての一面や、人権や教育への取り組み、国務長官としての成果を並べ、大統領にふさわしいとアピールした。

　この日のフィナーレは、歌手で女優のアリシア・キーズさんのステージ。その直後に、クリントン氏がニューヨークから、予告なしの中継で今回の大会で初めて姿を見せた。

　クリントン氏「（私の候補者指名は）あなたたちの勝利です。私は初めての女性大統領になるかもしれないし、いま見ている少女たちが、次の女性大統領になるかもしれない」

　人気の衰えない夫や、数々の著名人からのエールを受けたクリントン氏は、最終日の２８日に指名受諾演説を行う。民主党全体を自らの言葉で束ね上げ、トランプ氏との本選にむけ弾みを付けられるかが焦点となる。