南シナ海問題 比元大統領が中国側と接触へ
南シナ海問題をめぐり、フィリピン政府は対立している中国との交渉役としてラモス元大統領を香港に派遣した。非公式ルートで中国側と接触し事態の打開を目指すとみられる。
ドゥテルテ大統領の特使として香港に派遣されたラモス元大統領は、出発前に会見を行い、南シナ海問題をめぐる交渉では、中国と持続可能な発展と平和の実現を目指すと、訪問の目的を説明した。中国側の誰と会うかについては、「古くからの友人」とだけ明らかにしている。
仲裁裁判所は、先月の判決で、南シナ海のほぼ全域に領有権があるとする中国側の主張を否定したが、中国は、フィリピン側との対話について、この判決の棚上げを前提条件としている。これに対しドゥテルテ大統領は今回、中国とパイプのあるラモス氏を特使として派遣し、全面的に勝利した判決を盾に、中国との交渉を有利に進めようという狙いがあるとみられる。