フィリピンを訪問している岸田外相は１１日、ダバオでドゥテルテ大統領と会談を行い、南シナ海問題など中国による海洋進出に協力して対応することで一致した。

　ドゥテルテ大統領との会談は、日本の閣僚としては初めて。会談で、岸田外相は、南シナ海での中国の主張を否定した仲裁裁判所の判決を踏まえ、ドゥテルテ大統領と法の支配の重要性や紛争の平和的な解決に向けた関係強化で一致した。

　また、岸田外相は、沖縄県尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国側に抗議していることを説明、大統領は日本の立場に理解を示したという。

　また、これより先に、岸田外相はヤサイ外相と会談した。ヤサイ外相は、中国の海洋進出について、両国は経験を共有していると指摘した上で、「海洋の秩序と法の支配が尊重されるべきだ」と中国をけん制した。

　一方、岸田外相は、フィリピンの海上警備能力の向上に向けて、これまでの巡視艇の供与に加え、今後、大型巡視船の供与の検討を進める意向を示した。