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ノーベル平和賞にサントス大統領

2016年10月7日 21:30
ノーベル平和賞にサントス大統領

 今年のノーベル平和賞が発表され、左翼ゲリラとの間で内戦終結の合意を取りつけた南米・コロンビアのサントス大統領が選ばれた。

 サントス大統領は現在、65歳。新聞記者から政界に転身し、財務大臣や国防大臣を歴任した後、2010年に大統領に選ばれた。コロンビアでは1960年代から、中南米最大の左翼ゲリラのFARC(=コロンビア革命軍)が活動を続けていたが、サントス大統領は2012年からFARCとの本格的な和平交渉に乗り出し、8月に内戦終結で合意した。

 ノルウェーのノーベル委員会は、受賞理由について「多くの命を奪った内戦を平和的解決に劇的に近づけた」としている。また、この受賞は、コロンビアの国民にささげるものでもあり、「和平実現に向け努力している全ての人を勇気づけることを望む」としている。

 一方、FARCの最高司令官が共同受賞しなかった理由については、「コメントしない」とした上で、サントス大統領が「コロンビアの国家元首として合意に向けて強いリーダーシップを発揮した」として功績をたたえた。しかし、今月行われた国民投票では和平合意への承認が得られず、完全な内戦終結には至っていない。