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英・ヒースロー空港 3本目の滑走路建設へ

2016年10月26日 1:08

 イギリス政府は25日、ロンドンにあるヒースロー空港の3本目の滑走路建設を承認すると発表した。EU(=ヨーロッパ連合)からの離脱決定後、イギリス経済に不透明感が続く中、競争力の強化を図る狙いがあるとみられる。

 ロンドンのヒースロー空港は年間約7500万人が利用するヨーロッパ最大の空港だが、現在は滑走路が2本のみで、経済界を中心に拡張を求める声が上がっている。こうした中、イギリス政府は25日、経済の活性化や雇用の創出につながるなどとして、3本目の滑走路の整備計画を承認した。

 グレイリング運輸相は「EU離脱は決定したが、イギリスがビジネスに対して開かれていることを明確に示すことになる」などと話し、EU離脱が決まった国民投票後、イギリス経済に不透明感が広がる中、発着数を増やすことなどで競争力の強化を図る狙いがあることも示唆した。

 整備費は約2兆3000億円と試算されていて、順調にいけば2030年ごろ、運用が始まる見通し。拡張を巡っては、20年以上、議論が続いていて、騒音などに悩まされている近隣住民や、メイ政権の閣僚などからも建設反対の声が上がっている。