大統領就任後、初めて日本を訪れていたフィリピンのドゥテルテ大統領が、３日間の日程を終え帰国した。

　２７日午後、ヘリコプターでさっそうと巡視船に降り立ったドゥテルテ大統領は、神奈川・横浜市で、海上保安庁の訓練を視察した。

　就任以来、犯罪撲滅や外交面でこれまでの指導者とは異なる言動で、大きく注目された今回の訪日。日本在住のフィリピン人の前では、過激な発言で場を沸かせた一方、日本に向けては親日的な発言を連発した。

　ドゥテルテ大統領「日本はフィリピンのパートナーであり、最大の支援国だ」

　安倍首相との首脳会談では、接近が注目された中国に対する配慮も忘れなかったものの、南シナ海問題で日本と連携する姿勢をアピールし、両国の関係を強化することで一致した。

　中国と日本を相次いで訪問し、双方から経済などの支援を引き出したドゥテルテ大統領。相手にあわせてスタンスを変えるドゥテルテ流のしたたかなバランス感覚が際立ったが、距離を置く姿勢を鮮明にするアメリカへの対応など、関係国が翻弄（ほんろう）される状況は今後も続く。