“クリントン氏メール問題”FBIが再捜査
FBI(=アメリカ連邦捜査局)は28日、民主党のクリントン候補が国務長官時代に私用のメールを公務に使った問題を、再捜査すると発表した。大統領選挙を来月8日に控え、打撃となる可能性が出ている。
メール問題をめぐってFBIは今年7月、クリントン氏の刑事責任は問わないとして捜査を終結していた。しかし捜査対象となるメールが新たに見つかったため、機密情報を含むかどうか、捜査を再開するとしたもの。クリントン氏はFBIに捜査情報の開示を求めるとともに、これ以上問題が広がらないよう、火消しを図った。
民主党・クリントン候補「FBI長官自身、そのメールが重要かは分からないと言っている。(罪に問わないとの)判断は変わらないと確信している」
クリントン陣営にとって、再捜査は受け入れ難く、投票のわずか11日前という発表のタイミングについて、「異常なことだ」と反発している。一方共和党のトランプ候補は発表の直後から、ここぞとばかり攻撃を強めている。
共和党・トランプ候補「クリントン氏の堕落は見たこともないほどひどい。ついに裁きが下されるだろう」
クリントン氏の「信頼性」に関わる問題が突然再燃した影響については、「クリントン氏優位という基本的な情勢に変化はない」とみる専門家もいる。しかしアメリカメディアは、今回の発表を終日報道しており、焦点はトランプ氏の女性蔑視問題からメール問題に変わりつつあるのも事実。
トランプ氏が女性蔑視問題などでつまずき、一時は勝負あったかとも思わせた戦況が、クリントン氏がこのまま逃げ切れるのか、なお予断を許さない状況。