作家・村上春樹さんが３０日、デンマークの童話作家・アンデルセンにちなんだ文学賞の授賞式に出席し、スピーチを行った。

　「ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞」の授賞式は、デンマークのオーデンセで行われた。村上さんは受賞のスピーチでアンデルセンの作品「影」を引き合いに出し、「すべての人に影があるようにあらゆる社会や国家にも影がある」とした上で、「部外者を排除するためにどれだけ高い壁を築いても、結局は自らを傷つけるだけだ」「影とともに生きることを辛抱強く学ばなければならない」などと述べた。各地で広がっている移民排斥の動きなどに警鐘を鳴らしたものとみられる。

　この賞は、これまでに、「ハリー・ポッター」シリーズで知られるＪ・Ｋ・ローリングさんらが受賞している。