トランプ氏「残忍な独裁者が死を迎えた」
キューバで約半世紀にわたり「反米の象徴」として長期政権を率いてきたフィデル・カストロ前国家評議会議長が25日、90歳で死去した。革命家の訃報に、世界から様々なコメントが寄せられている。
25日に90歳で死去したカストロ前議長の遺体は火葬された後、遺灰となってキューバ各地を移動するという。来月4日にはキューバ革命の最初の舞台として知られるサンティアゴ・デ・クーバの墓地に埋葬される予定。
キューバは半世紀以上にわたる敵対関係の後、去年、アメリカと国交を回復した。オバマ大統領は声明で哀悼の意を示し、「この並外れた人物が人々と世界に与えた非常に大きな影響は歴史が判断するだろう」と述べている。一方、次期大統領のトランプ氏は声明では哀悼の意を示さず、「キューバ国民を厳しく支配した残忍な独裁者が死を迎えた」と述べた。その上で、「キューバ国民のために我々の政権はできるかぎりのことをする」と強調したが、具体的な政策については言及していない。
また、インタファクス通信によると、東西冷戦下でキューバと深い関係にあったソ連のゴルバチョフ元大統領は、「アメリカによる厳しい封鎖や強力な圧力を受けながら自らの国を強化した」とカストロ前議長の死を悼んだという。
アメリカとキューバの国交回復を仲介したローマ法王フランシスコは「安らかな眠りにつかれるよう祈りをささげる」との弔電を遺族に送ったという。
9月にキューバでカストロ前議長と会談した安倍首相も「世界情勢について情熱を込めて語られる姿が印象的だった」とコメントで哀悼の意を示した。