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VX影響か 実行犯の1人タクシー内で嘔吐

2017年2月27日 0:59

 北朝鮮の金正男氏がマレーシアで殺害された事件で、実行犯の女のうちの1人が、逃走する際にタクシーの中でおう吐していたことがわかった。猛毒の神経剤VXの影響を受けた可能性がある。

 捜査当局「女の容疑者のうち1人が、事件後にタクシーの中で吐いた」

 警察は26日の会見で、正男氏殺害の実行犯の女の1人が現場から逃走するタクシーの中でおう吐していたと明らかにした。殺害に使用した猛毒の神経剤VXに影響を受けた可能性があるが、現在は容体は安定しているという。

 また、正男氏の遺体の司法解剖などを行った保健省は、26日の会見で、正男氏の死亡は2人の女に襲われた15分から20分後だったことを明らかにした。

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 一方で、実行犯のシティ アイシャ容疑者の事件前の様子も明らかになった。事件前日から当日の未明に撮影された映像には、シティ アイシャ容疑者が知人らと笑顔でくつろいでいるような様子が記録されていた。

 友人「私の隣にいる女性は、もう女優になったのよ」
 シティ アイシャ容疑者「なんの女優なの?」「オーケー、みんなバイバイ!」

 さらに友人たちとの誕生パーティーの様子も記録されていた。ケーキのろうそくを吹き消すシティ アイシャ容疑者を友人たちが祝福する。

 「シティは誕生日を迎えました。ハッピバースデー・トゥ・ユー♪ ハッピバースデー・トゥ・シティ♪」

 この映像は犯行の数時間前に撮影されたものだという。事件は午前9時頃だが、シティ アイシャ容疑者は未明まで友人が開いた自らの誕生パーティーに参加していたという。

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 警察は、猛毒のVXがどのように製造され、現場で使われたのかを調べているが、これまでにクアラルンプール市内のマンションで押収した物質を警察の化学部門で分析していることを明らかにした。

 警察は、マンションの部屋が北朝鮮に逃亡した4人の容疑者に関係があるとして捜査している。