×

全人代開幕、習主席の権力集中を強調 中国

2017年3月6日 1:36

 中国の国会にあたる全人代(=全国人民代表大会)が開幕した。今年後半に最高指導部が入れ替わる中国共産党大会を控える中、習近平国家主席の権力集中が強調された。

 去年秋に習近平国家主席が特別な指導者を意味する「党の核心」となって以降、初めて迎えた全人代。ここでも習主席は「核心」と呼ばれた。

 李克強首相「政府活動を完遂すべく、習近平同志を核心とする党中央の指導の下、中国の特色ある社会主義の偉大な旗を高く掲げる」

 一方で、李克強首相との不仲説も取りざたされる習主席。去年の全人代では、李首相と視線を合わさず、そそくさと退場したが、今年、習主席は、笑みを浮かべながら李首相と短く言葉を交わした。秋の党大会を控え、権力闘争が注目される中、一定の配慮を示したとみられる。

 今回、注目されていた経済成長率の目標については6.5%前後に引き下げた。経済の先行きが厳しい中、達成可能な目標にとどめた形。

 また、アメリカのトランプ政権を念頭に「保護主義に反対し、多国間貿易を推進する」と強調。中国経済の成長にとっても不可欠な自由貿易の新たな枠組みづくりを主導する意気込みを示した。

 全人代でも核心と呼ばれた習主席。その権威を内外に示しながら、党大会にむけて人事を有利に進める狙いがあるとみられる。