朴氏罷免 次期大統領選“日韓合意”焦点に
韓国の憲法裁判所は10日、朴槿恵大統領の罷免を認めた。朴大統領は、韓国史上、弾劾で職を失った初めての大統領となった。
憲法裁判所の裁判官は弾劾審判で、朴大統領による友人の崔順実被告の財団設立の支援と、財閥企業からの資金拠出について、「地位と権限を乱用して崔被告の利益追求に関与し、憲法違反・法律違反を続けた」と認定した。
さらに「捜査に応じず、憲法を守る意思が見られなかった」とし、「朴大統領の行為は憲法擁護の観点から受け入れられない」として、8人の裁判官全員一致で罷免を認めた。
罷免が決まったあと、朴氏を支持する市民の一部が警察と衝突するなどして混乱し、男性2人が死亡している。また今後、朴氏が逮捕・起訴される可能性もある。
一方、次期大統領の選挙は5月9日までに実施される。10日に発表された最新の世論調査(ギャラップ)では、野党「共に民主党」の前代表・文在寅氏が支持率32%と有力候補の中で最も支持を集めている。文氏は、慰安婦問題の解決に向けた日韓の合意について「再交渉も辞さない」とする立場。有力候補の多くが合意に批判的で、この問題は選挙の焦点の一つとなる。