アメリカのトランプ政権で要職に就く実業家のイーロン・マスク氏が、トランプ大統領に対して新たな関税政策を撤回するよう直訴したとアメリカメディアが報じました。

アメリカの有力紙・ワシントンポストは7日、マスク氏がトランプ大統領に対し、新たな関税政策を撤回するよう個人的に訴えたと報じました。ただ、現状ではトランプ氏の考えを変更するには至っていないとしています。

マスク氏はイタリアでの集会で「アメリカとヨーロッパの関税がゼロとなるのを期待する」と述べるなど、高関税政策を掲げるトランプ政権とは異なる考えを示していました。

さらに、マスク氏は、SNSでトランプ政権で関税政策を主導するナバロ大統領顧問に対し「本当のバカ」とののしるなど批判を強めています。ナバロ氏は7日、マスク氏がCEOを務める電気自動車大手テスラについて、部品を海外から輸入しているとして、「自動車製造業者ではなく、組み立て業者だ」と批判し、アメリカ国内で部品を生産すべきだと主張しました。

これに対しマスク氏が、「彼は本当のバカだ、明らかに間違っている。テスラはアメリカ製の車を最も多く所有している」と反論するなど、関税政策をめぐり政権内での溝が浮き彫りとなっています。