人口約200万人減少 「高齢者大国」の中国 北京郊外“若者いない”村では…
かつては世界トップの人口大国だった中国。しかし、2年連続で人口が減少しました。
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今週、北京市内の公園を訪ねると、そこには運動に励む多くの高齢者がいました。なかには、鉄棒で懸垂や頭を地面につけてストレッチをする人もいました。
――健康の秘訣は?
75歳
「これといってないよ。よく運動するくらいだよ」
83歳
「ないよ、よく笑うだけ」
いま、中国の60歳以上の人口は3億人に迫る勢いで、さながら「高齢者大国」となっています。彼らの口から次々に聞こえてきたのは、ある心配の声です。
75歳
「うちの子は、子どもは欲しくないと言っているよ。うちの子の友人もそうだし、結婚すらしない子もいるみたいだよ」
少子化が日本よりも速いペースで進む中国。その背景には、経済的な理由で結婚や子どもを産むことを望まない人が増えている現状があります。
――結婚して子どもを産みたいですか?
25歳
「(子どもは)ほしくない。お金がないから」
「経済力がある人が産めばいいと思う」
実際に、中国政府が17日に発表した統計では、去年の出生数は前の年より54万人少ない902万人で、建国以来最少になりました。去年末の中国本土の人口は推計で14億967万人と、前の年に比べて208万人減少しています。
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急速に進む中国の少子高齢化。そのひずみは、首都・北京の郊外にも及んでいました。
記者
「こちらの村は交通の便も悪く、商業施設が近くにないことも影響しているのでしょうか。先ほどから歩いていても若者の姿をほとんど見かけません」
北京市郊外の呂家湾村では、住民の半数以上が60歳以上です。
――お年寄りの割合は?
64歳
「6割以上だろう。若者はいないよ。みんな村の外で働いているんだ」
72歳
「娘は都市部に住んでいるよ。この村で私と苦労する必要はないからね」
73歳の夫と92歳の母親と3人で暮らす女性。1か月約2万円の年金で何とかやりくりしていますが、母親の医療費がかさんで食事の回数を減らすこともあるといいます。
72歳
「大金を稼げればいいけど無理だろう。あんな少しのお金では生活を維持するので精いっぱいだよ」
人口大国から高齢者大国へ。本格的に始まった「人口減少時代」は、長期的な経済成長にも影響しそうです。