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米朝首脳会談をどう評価? 記者解説

2018年6月13日 9:34

米朝首脳会談が12日、シンガポールで行われ、両首脳が共同声明に署名した。史上初めて行われた米朝首脳会談をどう評価すればいいのか。シンガポールで取材にあたったワシントン支局・井上幸昌記者が報告する。

トランプ大統領は帰国の途についた直後、インターネット上に映像を公開。米朝首脳会談の様子をショーアップし、支持者にアピールした。この会談が11月の中間選挙をにらんだものだったことをうかがわせる。

トランプ大統領「金委員長は北朝鮮全土で非核化する。すぐ取りかかるだろう」

確かに、米朝の首脳が初めて会って「完全な非核化」と「体制保証」を確認したことは、東アジアの安全保障環境を変える一歩になったとも言える。しかし、この後の米朝交渉がうまくいくか、現時点では見通せない。

最大の焦点の「非核化」は、その進め方や期限を巡って双方の溝が埋まっておらず、合意するとの観測も出ていた「朝鮮戦争の終結宣言」も結局は打ち出せなかった。アメリカの有力紙は「この会談が真の歴史的な出来事になるかどうかは、次に何が起きるかにかかっている」と指摘している。

大枠のみの合意にとどまった初の会談。非核化の行方はいまだ2人の首脳の手に委ねられたままだ。