世界最大級のテクノロジー技術見本市「CES」…今年のトレンドはAIとパーソナライズ

世界最大級の家電とITの見本市「CES」が、今年もアメリカ・ラスベガスで開かれ、世界各国のメーカーが最新技術を披露。会場は連日多くの人でにぎわった。2025年の最新技術のトレンドは?
■ライフスタイルの中心に「AI」…キーワードは“パーソナライズ”
2025年のCESのテーマは「ダイブイン」。最新のテクノロジーを体験できるような仕掛けが、各所にこらされている。昨年に引き続き、各企業が全面的に打ち出していたのがAI。AI技術が食事・健康・運転・エンターテインメントの日常生活により浸透する未来が各所で描かれていた。
パナソニックHDは、生成AIを開発するアメリカの企業と提携し、家族のコミュニケーションをサポートするAIサービス「Umi」を発表して話題となったが、韓国メーカーの勢いもすごかった。
サムスン電子の展示スペースにでかでかと掲げられていたキャッチコピーは、「AI for All」。生活の中心にAIがあるというコンセプトを全面に打ち出している。
家の中では、ユーザーがどこにいるか、動いているか、座っているかをAI感知し、部屋のライトや空調、テレビのオンオフまで自動で制御。スマートテレビはAIにより個人の好みに合わせてカスタマイズされ、見たい情報をピックアップしてくれる。冷蔵庫にはカメラが内蔵されていてAIが食品の管理を行いディスプレイに表示される。消費期限が近い食材を優先的に使うレシピや、血糖値をコントロールできるレシピをパーソナライズして提案してくれるのだ。さらに食材が少なくなると、食料品宅配サービスアプリに商品を追加してくれるという至れり尽くせりだ。
アメリカのフードテックメーカーは、AIと連動したスマートグリルを展示。チャットGPTのような専用のAIに食べたい料理を伝えると、材料や調理法が表示される。「唐辛子アレルギーなので、唐辛子なしのスパイシーチキンを作ってほしい」というような個人の要望にも応えてくれるという。指示に従い、グリルに材料を入れると、外気温も勘案した上で、食材の温度管理をしてくれ、調理が終われば自動的にスイッチが切れる。このため「キッチンに何時間も立ちっぱなしの必要はなくなって、その間は好きなことができるのよ」と説明員は熱く語ってくれた。