米トランプ新大統領 異例のパフォーマンス…就任初日、注目ポイントは?
アメリカの第47代大統領にドナルド・トランプ氏が就任しました。ここからはワシントン支局の山崎支局長とお伝えします。
――きょう一日取材して、一番注目した場面は、どこでしょうか。
私が注目したのは次のシーンです。ホワイトハウスへの返り咲きをショーアップするために、トランプ氏が利用したのが大統領令でした。就任初日に100本署名すると宣言して注目を集めた上で、支持者や、そして全世界に向けて公開署名する異例のパフォーマンスを見せました。
中でも最初にやったのは、バイデン政権時代の行政命令を取り消す大統領令でした。これには2つの狙いがあって、一つはバイデン政権からの政策転換を強調して、国民に対し、変化への期待感を持たせること。もう一つが、スピード感をアピールして、選挙で約束した公約の実行力を見せつけることです。
トランプ氏は署名を終えると、立ち上がって支持者に向けて署名に使ったペンを投げ、きょう一番の盛り上がりを見せました。
――およそ30分にわたる就任演説は、どうだったのでしょうか?
こちらは、いつもの演説と比べて、ちょっとおとなしかった印象を受けました。
選挙でも訴えた話を演説では繰り返した形で、さらに選挙演説の時よりもテンションは低く抑えていました。
アメリカメディアによりますと、バンス副大統領やメラニア夫人から、攻撃的なトーンを抑えて、団結を強調する演説にすべきだと説得されたということです。
これにはトランプ氏は、やや不満だったようで、その後の挨拶では、「就任演説では、本当は『バイデンが自身の家族を恩赦した』という話を入れたかったが、バンス副大統領らに止められたんだ」と、こぼしていました。
一方で、トランプ氏が本領を発揮したのが、次のシーンです。
ホワイトハウスの執務室で大統領令に署名していたトランプ氏ですが、途中から署名そっちのけで記者の質問に答え始めて、結局1時間近く、やりとりが続きました。この場でカナダとメキシコへの関税を検討していると話すなど、多くのニュースが生まれました。
トランプ流が、世界を振り回す幕が開けた印象です。