タイの怖すぎ「地獄寺」なぜここまで表現?
この世の悪を描くタイの地獄寺。仏教国であるタイでは立体像を用いて地獄を表現する寺院が約60年前から建設されています。俗に地獄寺と呼ばれ、現在わかっているだけでもタイ全土に約80か所存在しています。
制作理由は仏教の教義を視覚的に伝えるためだといいます。寺ごとに独自の解釈で現代的な地獄表現をしています。閻魔(えんま)帳はパソコンで表現され、画面には「善いことをすると天国へ行く」と記されていました。
罪の内容も同様に現代的でした。薬物中毒を戒める地獄寺では違法薬物の錠剤を背負う亡者を表現。別の寺では経済成長による環境破壊に警鐘を鳴らそうと、木の精霊が森林伐採を好む罪人にチェーンソーで責め苦を与えていました。
タイにある寺院83か所を訪ね、地獄寺の研究をする椋橋彩香さんは地獄表現の見所をこう語ります。
「魅力は、今の悪が反映されている。日本は悪や汚いものを隠そうとする世の中だと思う。悪は、多少見たり、身近にないと正義感とかがねじ曲がると思う。見たくないようなものが身近にあるってことは大事だと思うようになった」
【the SOCIAL viewより】