英EU離脱協定案、否決 メイ内閣退陣か
EU(=ヨーロッパ連合)からの離脱の条件などを定めた「離脱協定案」の採決が先ほどイギリス議会で行われ、否決された。
否決の瞬間、議会の前にいたEU残留派の人々からは大きな歓声があがった。離脱協定案が否決されたことで3月29日のEU離脱に赤信号がともったことになる。
下院議長「賛成202、反対432(離脱協定案は)否決された」
採決の前、メイ首相は「私たちには国民が選んだEU離脱を実現させる義務がある」と呼びかけたが、賛成202票、反対432票という大差で離脱協定案は否決された。事前の予想通り、メイ首相の完敗だった。
今後、メイ首相はEU側と協議したうえで、今月21日までに新しい案を議会に提示することになるが、この短期間で議会の同意が得られる案を提示できるかは未知数。また、野党労働党は否決を受け、メイ内閣に対する内閣不信任案を提出しており、この結果によっては退陣に追い込まれる可能性も出てきた。
16日の否決により、合意なしでの離脱の可能性がさらに高まったが、逆に離脱期限を数か月先送りしようという動きも出ており、事態がどう動くかは未知数。国民投票自体をやり直すべきという声がこれまで以上に高まることも予想される。