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全人代閉幕 法律スピード成立に“焦り”も

2019年3月15日 12:48

中国の全人代(=全国人民代表大会)が閉幕し、米中貿易摩擦との関連で焦点となっていた法律が成立した。

全人代のウラで米中貿易協議が続くなか、中国は、アメリカに歩み寄りを示す法律を異例の早さで成立させた。

閉幕日の15日は法案などの採決が行われ、焦点だった外国企業に技術移転を強要することを禁じる法律は、圧倒的多数の賛成で成立した。法案の公表から3か月という異例のスピードでの成立、ここに中国の“あせり”が透けて見える。

アメリカとの貿易摩擦が長引けば、経済がさらにダメージを受け、習主席の権力基盤の弱体化につながりかねないという危機感がある。

15日の採決でも、汚職摘発の強化を進める司法トップの活動方針は反対票や棄権票が去年よりも増えた。こうした党内の不満の芽を摘むため、習主席の側近も演説で「習主席を核心とする党から離れるな」と強調している。

中国はこの秋、建国70年という大きな節目を迎える。大国のプライドを保ちながら対米関係の改善をはかるという難しい舵取りを迫られている。