拘束の人権派弁護士、初めて妻と面会 中国
中国で4年の間身柄を拘束され、一時は安否さえ不明とされた人権派の弁護士が28日、初めて妻との面会を許された。妻は「精神状態が非常に悪かった」と健康面での不安を訴えている。
人権派として知られる王全璋弁護士は、2015年7月に中国当局に身柄を拘束された後、今年1月、国家政権転覆罪で懲役4年6か月の実刑判決が言い渡されている。
これまで家族との面会は一度も許されず、体調や精神状態が危ぶまれる中、28日、妻の李文足さんが初めて夫と面会した。周辺では、身元不明の男性らによる取材活動の妨害が行われ、騒然とした雰囲気となった。
およそ30分行われた面会について、李さんは、王弁護士が別人のようだったと語った。
王全璋弁護士の妻・李文足さん「夫の精神状態は非常に悪かった。昔の夫とは別人のようだった。昔は私の前で怒ったことがなかったけど、きょうはずっといらいらしていた。非常に私の安全を心配していた。私のことで夫が脅されているのではないか。正常にやりとり出来なかった。夫にゆっくり話してもいいよと、慰めながら話を聞くだけにした」
李さんによると、王弁護士は子供の学校を心配する一方、今後2か月は面会に来ないでほしいと話したという。
中国の弁護士らに対する弾圧は国際社会が強い懸念を示していて、G20大阪サミットが開かれているさなかの面会には、人権弾圧への批判をかわそうとした可能性もある。